Impossible Foodsがアジア展開を加速
米国のプラントベース食品会社Impossible Foods(インポッシブル・フーズ)は、アジアを優先市場と位置付け、小売事業の国際展開促進に向け香港の事業を一段と強化します。
香港は、世界最高レベルの食通や、トレンドを生み出すシェフたちの拠点です
健康や環境、倫理面の理由から植物由来の食事に切り替える人が増える傾向にありますが、多くの人は肉の味の満足感は妥協したくないと感じています。Impossible Foodsは、世界の食料システムの持続可能性と生物多様性を回復することを使命とし、動物性の肉と比べて見た目や味、栄養、食感を損なうことのない植物性食品を開発した先駆者です。
Impossible Foods Hong Kongゼネラル・マネージャー ハイジ・ナム氏は、「私たちの使命は、2035年までに食料生産技術としての動物の必要性をなくし、世界の食料システムを持続可能なものにすることです」と説明しています。さらに「私たちは、少量の天然資源からおいしくて栄養価が高く、手頃な価格でかつ持続可能な植物性の肉、魚、乳製品を作ります。私たちの種の生存には、気候変動の時計を反転させることが不可欠であり、プラントベースの食事は個々人がそのためにできる最も強力な手段なのです」と述べています 。
アジアの需要急増
同社は、最初の商品である「Impossible™Burger」を2016年に米国で発売した後、活気あるアジア市場に目を向け、事業拡大には香港が最適だと考えました。ナム氏は「アジアにおける肉の需要は世界のどの地域よりも急速に伸びています。特に香港は、世界でも1人当たりの肉消費量が多い有数の都市であるだけではなく、世界最高レベルの食通や、トレンドを生み出すシェフの拠点になっています」と話しています。
さらに「私たちは2018年に初めて香港で海外進出し、地元でとても愛されているいくつかのレストランで当社の商品の提供を始めました。1年後にはマカオ、シンガポールなど他のアジア市場にも展開しました。それ以来、私たちは世界での飛躍に向け期待を高めています」 と語りました。
Impossible Foodsの製品は現在、世界の3万以上のレストランで提供されています。米国では2019年に食料品店での販売を開始し、小売り事業はその後2020年10月にアジアに進出したことを手始めに国際展開を拡大しています。同社は規模の経済の拡大に伴い、2020年3月には卸売価格の15%引き下げを達成し、その後、2021年にはさらに2度にわたって値下げをしました。この中には、香港で最近実施した小売価格の20%超の引き下げも含まれています。こうした動きは、手頃な価格で手に入る持続可能なプラントベースの食肉を作るという同社の使命につながっています。
多様な食文化が息づく国際都市
ナム氏はImpossible Foodsの成功の秘訣を次のように語ります。 「市場を詳しく把握して、それに適応したアプローチを取り、共鳴を得られるような形で参入することがすべてです。香港では、肉料理で名高いシェフと共に取り組みを始め、信頼を得るためにすべてのレストランのメニューにImpossible Foodsの製品を取り入れ、市場が持つ食の多様性を体現しました。香港の人たちは新しいモノやコンセプトにオープンで、食べ物の選択を通して持続可能性の意識を高めることに関心があることが分かります」。
同社にとって、香港は単なる出発点ではありません。「香港ではアジア料理の種類が非常に多く、近隣市場の消費者のニーズをよりよく理解することに役立ちます」というナム氏のコメントがそのことを物語っています。Impossible Foods シニアバイスプレジデント(国際担当)ニック・ハラ氏(Nick Halla)がこのほど香港に駐在となったことも、同社のアジア展開における香港の役割の重要性をあらためて示しています。
Fast Facts
- 米カリフォルニア州に本社を置くImpossible Foodsは2011年にパトリック・O・ブラウン氏(Dr Patrick O. Brownスタンフォード大学 生化学名誉教授、元小児科医)が設立しました。
- 香港では現在約5人の従業員が現地のマーケティング、販売、事業開発、流通業者や小売業者との渉外を担当しています。
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